キッチンをより快適でスマートに!ガスコンロからIHヒーターへのリフォームのポイントについて解説!

住宅リフォームで常に上位にランクインするリフォーム希望箇所のひとつが、キッチンです。毎日家族が使い、家族の食生活を管理する場所であるだけに、快適に、そしてスマートに調理作業ができるキッチンにしたいもの。

とはいえ、キッチン本体をリフォームするのは予算も時間もかかりますから、なかなか踏みきれないという人も多いでしょう。そこで今回は、手軽にキッチンの使い勝手をアップさせることができるIHヒーターへのリフォームについてご紹介します。

IHヒーターってどういうもの?

IHヒーターとは、炎によって直接鍋を加熱するガスコンロとは異なり、電磁誘導による摩擦熱で調理する加熱機器です。天板に鍋を置いて電源を入れると、電磁コイルに通電することで鍋の底面との間に摩擦が起き、その熱を利用して鍋本体だけを加熱します。摩擦熱が起きる材質の鍋でないと加熱しませんので、ステンレス製や鉄製の鍋にそろえる必要があります。ただし、最近はオールメタルという鍋の素材を問わないタイプのIHヒーターも開発されており、アルミ製や銅製の鍋が使える商品もあります。

お湯を沸かしたり煮物料理をしたりする場合はガスコンロよりも短時間で調理ができる一方で、炎が出ないため干物や海苔をあぶるといった調理はできません。また、鍋の底面がIHヒーターの天板に接触していないと摩擦熱が起きないため、フライパンを振ったりするとその都度通電が切れるようになっています。

もっとも多いタイプは、IHヒーター2口にラジエントヒーター1口がセットになったものです。ラジエントヒーターとは、電熱線のコイルが天板下に埋め込まれていて、通電によってコイルそのものが発熱します。IHヒーターが鍋本体だけを加熱するのに対して、ラジエントヒーターは天板を熱しますから、やけどに注意して使用することになります。ラジエントヒーターはIHヒーターよりもエネルギー効率が低く火力が出ないので、3口ともIHヒーターが搭載されているタイプを選んでもいいでしょう。

炎が出ないために鍋周辺の空気の対流が起こらないので、加熱機器周りに飛び散る汚れの量はかなり少ないです。換気扇に巻き上がる油の量も減るため、換気戦の汚れもかなり減ります。ガスコンロのように五徳がなくすっきりとした一枚天板ですから、調理後のお掃除はとても簡単。毎日の掃除の手間はかなり少なくなると言えます。

ガスコンロからIHヒーターにリフォームする際のポイントは?

現在のキッチンがシステムキッチンでもセパレートキッチンでも、ガスコンロからIHヒーターへのリフォームは可能です。
システムキッチンの場合、ガスコンロは天板に開口された穴に上から落とし込んでいる状態になっています。この開口寸法はIHヒーターも同じ寸法です。また、国産のIHヒーターはいずれもサイズに互換性があるため、ガスコンロを撤去した後そのままIHヒーターを設置できます。最近は天板の幅が60㎝タイプと75㎝タイプの2種類がありますが、開口寸法は同じですから、どちらを選んでも施工作業の方法は同じです。
IHヒーターを使うには200Vの電源が必要です。IHヒーター専用電源を新たに設置する必要がありますから、電気工事が必須となります。

セパレートキッチンの場合、ガスコンロはガス台の上に置いている状態になっています。ガス台の幅や奥行の中に入るサイズのIHヒーターであれば、ガスコンロを撤去した後据え置くだけでOKです。ただし、セパレートキッチンの生産時期によっては、そのままIHヒーターを置くとIHヒーター部分だけが高くなってしまうケースがあるため、ガス台を一緒に交換しなければいけないことがあるので注意が必要です。

ガスコンロからIHヒーターにリフォームする際に押さえておきたいポイントは、使い勝手とお手入れです。

ガスコンロとIHヒーターとでは、冒頭でもご紹介したように加熱方式が異なりますから、人によってはIHヒーターが使いづらく感じる可能性があります。「火が出ないから火力調整が難しい」「鍋の種類が限定されるとすべて買い替えることになって面倒」といった声は少なくありません。しかし、操作については使っているうちに慣れてきますから問題ありませんし、鍋についても今の鍋をできるだけ使いたいとなればオールメタルタイプを採用すれば解決します。あぶり料理が難しいといった面もありますから、IHヒーターに変えるメリットとデメリットをよく比較して決めましょう。

お手入れについては、ガスコンロよりもIHヒーターの方が簡単だと言えます。ガスコンロは五徳を外して洗ったり、調理後に部品の間を拭いたりするのに結構時間を取られますが、IHヒーターは天板がフラットですからさっと拭くだけできれいになりますし、前述したように加熱方式の特性で周辺の汚れが少なくなります。コンロ周りの掃除は時間がかかりますから、IHヒーターにすることで掃除が楽になるのは注目したいポイントと言えるでしょう。

IHリフォームの費用相場や工事期間は?

ガスコンロがガス熱源であるのに対して、IHヒーターは電気熱源です。リフォームでガスコンロからIHヒーターにする場合は、不要になるガス管の撤去と、IHヒーターの専用電源の設置と配線という作業が必要になります。IHヒーターは消費電力が大きいため、ブレーカーの容量が不足していると使用中やスイッチを入れた途端にブレーカーが落ちてしまう可能性が高いです。そういうことが起きないよう、契約電気量のアップを電力会社に申請するか、ブレーカー本体を交換する必要があります。自宅がどういうケースに該当するかは、リフォーム工事業者に現場を調査してもらえばすぐにわかります。

こうした作業が必要であることを踏まえて、ガスコンロからIHヒーターへリフォームする場合の費用の相場を見ていきましょう。
IHヒーターのリフォーム工事の費用は、施工費よりもIHヒーター本体をどのタイプにするかによってかなり上下します。基本機能だけついているシンプルなタイプのIHヒーターでよければ、16~18万円です。搭載されている機能が多いタイプのIHヒーターを選んだ場合は、20~25万円が相場になります。オールメタルタイプのIHヒーターにするなら、30万円弱かかると考えておくといいでしょう。

これはIHヒーター本体と施工費を含めた費用で、ガス管の撤去やブレーカー交換といった作業は含みません。すべてをまとめると、20~35万円前後かかるというのを目安にしておくことが大切です。

ガスコンロからIHヒーターへリフォームする場合の工事期間は、基本的には2~3時間あれば十分です。午前中から作業に入れば、午後の早い時間には終わるイメージです。ただし、キッチン周りの電気配線やブレーカーの容量によっては、電気工事に時間がかかるため5~6時間かかる場合もあります。現在のキッチンの状態や電気配線の状態によっても左右されるため、リフォーム工事業者に現場調査をしてもらった際によく確認した上で、半日程度はかかるつもりでスケジュール調整をするのがおすすめです。

ガスコンロにはないメリットがたくさんあるIHヒーターは、使い勝手のよさだけでなく、オール電化にして光熱費を落としたいという人にもぴったりです。多くのメーカーからさまざまな機種が発売されていますから、機能性や価格などを比較して、最適なタイプのIHヒーターを選び、より快適でスマートなキッチンにリフォームしてくださいね。



Page Top