初心者向け!スケルトンリフォーム(フルリフォーム)とは?基礎知識から費用までやさしく解説

住宅リフォームについて調べていると、スケルトンリフォームという言葉をところどころで目にするでしょう。単なるリフォームであれば日常生活でもよく耳にする言葉ですが、スケルトンリフォームとなると一般に馴染みのある言葉ではありません。しかし、もしあなたが今住んでいる家を大きく変えたいと考えているのであれば、このスケルトンリフォームを依頼することになるかもしれません。

そこで今回はスケルトンリフォームの意味や基礎知識、施工にかかる費用について解説します。

スケルトンリフォームとは何か?

スケルトンリフォーム

https://refopedia.jp/full-reform

 

スケルトンと聞くと、透明なものをイメージする方が多いでしょう。たしかに「スケルトン デザイン」と画像検索すれば、外装が透明で中身が透けて見える小物やグッズが多く見つかります。しかしスケルトンの本来の意味は「透明」ではありません。本来の意味は骨格・骨組み。中の基礎的な部分が透けて見える様子から「スケルトン=透明」というイメージが浸透したのでしょう。

スケルトンリフォームという言葉に使われるスケルトンももちろん骨組みという意味。一部の設備を残して入れ替えるなどの小規模なリフォームではなく、建物の骨組みだけを残して内装・設備・外装をすべて作り直すことを意味します。決して全面ガラス張りにするような施工のことではありません。

建物のほぼすべてを作り直すことから、フルリフォームという言葉を使うこともあります。

 

スケルトンリフォームのメリット

自由度が高い

設備の一部だけをリフォームする場合、壁や配線など他の設備に干渉してしまうため希望通りにならないことがあります。その点スケルトンリフォームであれば根本から作り直すため大胆な変更が可能。間取りを自由にデザインできる、水回りや電気の配線も自由に変更できる点はスケルトンリフォームならではの魅力です。

 

長期的に考えると得になることも

リフォームというと、一般的には老朽化した一部分だけを新しくすることをイメージするはず。このようなリフォームは工事が小規模な分、費用も安くなります。しかし何度もリフォームを重ねていけば当然費用はかさんでいくもの。スケルトンリフォームは1回で家全体をリフォームできるため、長期的に考えると小さなリフォームを重ねるよりも得になる可能性があります。

 

スケルトンリフォームに向いていない家

先ほどスケルトンリフォームのメリットとして間取りを自由に変更できる点を挙げました。しかし住宅工法、すなわち家の建て方によってはこれを実現できない場合もあります。

例えば2×4工法やプレハブ工法の場合は構造上実現できる間取りに制限があるため、他の工法であれば実現できた間取りも実現できないことがあります。スケルトンリフォームを候補の1つとして考える場合はリフォーム業者に相談し、どの程度まで間取りを変更できるか相談してみましょう。

 

スケルトンリフォームにかかる費用

一戸建ての場合

スケルトンリフォーム

https://refopedia.jp/full-reform

 

スケルトンリフォームは工事が大規模なものとなりますので、当然ながら一般的なリフォームにかかる以上の費用が掛かります。家の大きさや工事の内容にもよりますが、大まかには600万円~2,000万円ほどかかると想定しておくと良いでしょう。

 

マンションの場合

スケルトンリフォーム

https://refopedia.jp/used-apartment-2

 

1K、ワンルームの部屋であれば600万円以内に収まることがほとんどです。新しく入れ替える設備も安めのものを選べばさらに費用を抑えられます。

部屋が大きくなるといくらか費用は増え、60平方メートルを超える物件であれば600万円~1,000万円、80平方メートルを超える物件は1,000万円を超えることもあります。

 

よくある疑問

一通り説明はしましたが、まだまだ分からないことも多いでしょう。そこで、ここからはよくある疑問に対し答える形式で説明していきます。

 

スケルトンリフォームとリノベーションの違いは?

スケルトンリフォームと似た言葉に、リノベーションという言葉があります。混乱を避けるためにもリノベーションとは何かについても覚えておきましょう。

リノベーションには改善という意味があり、建築業界では工事をして建物に新たな機能を付け加えたり性能を向上させたりといった工事を指します。そのため機能追加・性能向上が実現できていれば家の一部だけを工事するというパターンもあるのです。

ただ、一戸建てではなくマンションの場合、リノベーションする方法としてスケルトンリフォームを採用することが多いです。そのためリノベーションという言葉がそのままスケルトンリフォームを意味する場合もあります。

 

内装だけフルリフォームする場合との違いは?

スケルトンリフォームのメリットでも解説した通り、一番のメリットは自分の好きなように間取りを変更できることでしょう。これ以外のメリットとしては、外装もリフォームするため結露やカビ、断熱性についての根本的な改善が狙えることが挙げられます。

一戸建ての家に行うスケルトンリフォームについては、耐震補強ができるという点も見逃せません。1981年、建築基準法に耐震基準についての改正がありました。つまりこれ以前に建築された家は現在の耐震基準に適合していない可能性があるのです。スケルトンリフォームであれば現在の基準に合わせて基礎部分の補強ができるため、地震による被害を受けるリスクを減らすことができます。

 

建て替えする場合との違いは?

スケルトンリフォームでは家の基礎部分を使いまわせるため、建て替えに比べて費用を3分の2程度に抑えることができます。また、建て替え時に必要な司法書士への建て替え申請などの費用も抑えられます。

もう1つ覚えておきたいのが、家を建て替えると床面積が減ってしまう可能性があることです。といっても「どうして?」と思ってしまいますよね。もう少し詳しく説明します。

家が4m未満の狭い道路に面している場合、建て替える家は道路の中心線から2m以上離れていなければならないという決まりがあります。これは今の建築基準法に合った設計をする必要があるため。この法律が施行されたのが1950年なので、これ以前に建てられた家は損をしてしまうかもしれません。

スケルトンリフォームは建て替えではなくあくまでリフォームになるので、現行の建築基準法の影響を受けない、つまり元の大きさで家を作り直すことができるのです。

 

スケルトンリフォームより建て替えの方が良い場合とは?

家の骨格、基礎の劣化がかなり進んでいる場合は建て替えの方が安上がりになるかもしれません。補強はあくまで既存の基礎部分をサポートするものでしかないので、補強でどうにもならないほど劣化が進んでいれば建て替えた方が良いというわけです。基礎部分の劣化は家をパッと見てすぐに分かるものではないため、実際にリフォーム業者とどちらの方が得になるか相談してみましょう。

 

スケルトンリフォームの工期はどのくらい?

一戸建ての家をスケルトンリフォームする場合、工期はおよそ2か月~3か月程度となります。ただしこれはあくまで工事が始まってから終わるまでの期間。工事を始める前にはどのような工事にするか、見積もりを取るなどやるべきことは山積みです。依頼してから工事完了までは最低でも6か月前後はかかるものと考えてください。マンションの場合はやや短く、4か月~5か月程度と考えておくとよいでしょう。

スケルトンリフォームは他のリフォームとは工事の規模が大きく違います。これまでリフォームを依頼した経験がある方でも勝手が違うと感じることも少なくないでしょう。工事した後に失敗したと思わないためにも、十分ゆとりをもったスケジュールで計画を進めることをおすすめします。



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