築年数が経った木造住宅の住み心地を高めるには?木造住宅をリフォームするメリットと成功のコツを解説!

新築してから20年30年と経った木造住宅は、味わいが感じられる反面様々な箇所の劣化が出てくるため、住み心地が悪くなってくることがほとんどです。新築時から家族構成やライフスタイルが変わってくると、不満に感じるところが増えてくるのも自然なこと。

しかし、柱や梁、基礎などの構造部分がしっかりしていれば、現在の家族構成やライフスタイルに合わせてリフォームをすることで、今後も快適に暮らすことができます。そこで
今回は、築年数が経った木造住宅をリフォームするメリットやリフォームを成功させるコツについてご紹介します。

築年数が経った木造住宅をリフォームするメリットとは

生きた素材である木材を多く使った木造住宅は、建ててからのメンテナンスの仕方によってその後の状態に差が出てきますが、建て替えではなくリフォームで対応できることは多いです。築年数が経った木造住宅をリフォームするメリットにはどのようなものがあるのか、ピックアップしてみました。

・住み慣れた住宅をそのまま残せる

築年数が経っているほど、家には家族の歴史が積み重なっています。強い愛着を感じる場所ですから、壊してしまうのは抵抗がある人も多いでしょう。リフォームは改善したい箇所だけに手を加えていくことができるため、家族の歴史や思い出をそのまま残すことができます。

・住宅の状態に合わせて工事内容を決められる

築年数がある程度経っている木造住宅は、構造部分や住宅の内部、外部などさまざまな箇所が劣化してきています。ただし、新築してから丁寧にメンテナンスしてきていれば当然劣化のスピードも遅いので、住宅全体をリフォームしなくてもいいケースも少なくありません。たとえば基礎や柱などの構造部分は最低限補修して、住宅内部は気になる箇所だけをリフォームするなど、現在の住宅の状態に合わせて工事内容を決めることができます。予算とのバランスも調整しやすいと言えるでしょう。

・あえて古さを生かすことができる

古民家への注目が集まっていることもあって、近年は古さを敬遠するというよりは魅力的に感じる傾向が強いです。築年数が経った木造住宅は、存在そのものが風情を感じさせますから、何もかも新品でそろえてしまうよりもあえて古さを生かしたリフォームをすることでますます魅力が高まる場合も多いでしょう。

・建て替えよりも住み心地を高められる場合がある

構造部分の劣化箇所が多かったり、家の傾きがひどいなど全体の劣化状況が激しいと、部分的なリフォームではなく建て替えが妥当なケースはあります。しかしそういった問題がなく経年劣化を解消する方法で住み続けられるなら、建て替えよりもリフォームの方が適しているケースも多いです。特に、建築基準法や前面道路にからんだ問題で建て替えると床面積がかなり狭くなってしまう場合や、そもそも建て替えが不可能な場合でも、リフォームなら快適な状態に戻していくことは十分可能です。

築年数が経った木造住宅のリフォームチェックポイント

木造住宅の場合、ある程度の築年数が経っているとリフォームで改善しておきたい項目が出てきます。せっかくリフォームするのですから、懸念事項はしっかり対応したいもの。築年数が経っている木造住宅のリフォームを成功させるためにチェックしておきたい項目をまとめました。

・耐震性

築年数が経った木造住宅について不安に感じていることの上位に挙げられるのが、耐震性です。1981年よりも前に建てられている木造住宅は古い耐震基準をもとに設計されているので、もともとの耐震性が低い上に経年劣化の影響を受けている可能性が高いです。外見上は問題がないように見ても、実際には構造部分にひび割れや腐朽などが起こっていることもありますから、耐震診断を受けて現状を把握し、補修などが必要と診断されたら適切な内容のリフォームを行うことが重要です。

・配管や配線の状態

上下水道の配管は、年数が経ってくるとサビや亀裂などの不具合が出てきます。配管内にゴミなどがたまって詰まりやすくなったり、亀裂が大きくなって水漏れを起こしたりすることがありますから、水まわりのリフォーム時にあわせて交換することを検討するといいでしょう。

電気配線についても同じです。ライフスタイルや同居する家族の人数の変化などで消費電力が増えていると、新築時の配線では負荷がかかりすぎて漏電を起こす可能性が高まります。途中で配線を分岐していて露出配線になっているのも見映えがよくありませんから、リフォームで配線を新しくすると同時に壁内に隠ぺい配線することを検討しましょう。

・断熱性

20年30年経った木造住宅は、使用している木材の劣化などによってすき間風が入りやすい状態になっていることがあります。また新築時に施工した断熱材が劣化して、機能していないことも多いです。こうした状態だと、エアコンなどの冷暖房効率が悪く電気代がかかったり、結露でカビが生えたりといった問題が出てきます。断熱材を施工し直す、窓を複層ガラスに交換する、断熱性能の高い建材を使うといったリフォームを行うことで住宅全体の断熱性が高まると、住み心地はぐんとアップするでしょう。

築年数が経った木造住宅のリフォームを成功させるコツ

家族の歴史が感じられる住宅に住み続けたい、そんな思いをリフォームでかなえるためにはコツがあります。築年数が経った木造住宅のリフォームを成功させるコツを3つご紹介しましょう。

・既存部分を上手に生かせるプランで個性を光らせる

築年数が経っているというのはマイナスポイントのように見えますが、長い時間を重ねてきたからこその味わいは新しい住宅には出せない魅力です。生活の中で自然についた傷や摩擦によって生まれた独特のツヤなどは、エイジング加工をした建材などをもってしても出せない風情です。この強みを生かすことで、その住宅にしかない個性を大切にしたリフォームができるかどうか、施工業者としっかり相談してみましょう。柱や梁、建具、ガラスなど再利用できるものはできるだけ生かすことを考えたいですね。

・構造部分の補修は万全に

外見上は問題なさそうに見えても、築年数が経っていると構造部分はそれなりに劣化しているはずです。いくら内部をリフォームで整えたとしても、基礎や柱、梁、屋根などの構造部分の状態が悪ければ快適に暮らせる住宅として維持していくことができません。リフォームを検討するのを機に、普段見えない箇所も含めて劣化が進んでいないかどうか、住宅診断サービスなどを活用してしっかりチェックしてもらいましょう。そして適切な補修を施しておけば、リフォームを行うメリットも高まります。

・資金計画は余裕をもっておく

リフォームは、新築とは違って既存部分を残しながら改修していくため、「いざ解体してみたら思ったよりも傷んでいた」といったことは珍しくありません。特に築年数が経った木造住宅の場合は、想定していなかった補修が追加になる可能性を考えておかなければいけません。施工会社が現場調査を行って見積を出しているとしても、実際に工事に入ってから追加の補修工事が出るかもしれないことを想定して、リフォーム資金の計画には少し余裕をもっておいた方がいいでしょう。

木材を使う以上、木造住宅は鉄筋コンクリート造や鉄骨造の住宅よりも寿命が短いと言われます。しかし適切な時期に適切なメンテナンスを行い、タイミングを見てリフォームを行えば、70~80年は十分快適に暮らせると言われています。この記事を参考に、築年数が経った木造住宅ならではの素敵なリフォームをぜひ成功させてくださいね。



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