バルコニーのリフォームをする時はここに注意! 押さえておきたいポイントについて解説!

2階や3階の軒先に設置されているバルコニーは、洗濯物を干したりのんびり日向ぼっこをする場所として多用するだけでなく、住宅の外観のアクセントにもなる場所です。年月が経つと劣化が進むので、補修という意味でのリフォームは必要ですが、用途を広げるためにリフォームを行うこともあります。

 

少し手を加えることで使い勝手がぐんと上がるバルコニー。リフォームを行う場合にはいくつか注意しておきたい項目があります。今回は、バルコニーのリフォームを進める際のポイントについて解説します。

 

バルコニーの種類にはどんなものがあるの?

住宅の2階以上の住宅外部に張り出したスペースをバルコニーと呼びます。似たような言葉であるベランダとの区別としては、上部に屋根があるかないかで判断します。通常は屋根がないものをバルコニー、屋根があるものをベランダとして区別すると言われていますが、実際には厳密な区別はありません。

 

住宅の外部の長さと同じ長さで張り出しているタイプや、窓それぞれに合わせて独立して張り出しているもの、住宅外部のコーナーに合わせてL字型に張り出しているものなどがあります。屋上に設置される場合はルーフバルコニーと呼ばれます。

 

一般的には洗濯物や布団を干す場所として使われますが、ガーデニングを楽しんだりテーブルセットを出してカフェのようにくつろいだり、庭の代わりとしてバーベキューなどの屋外パーティーをしたりと用途はさまざまです。

 

バルコニーのリフォームで検討したいポイントは?

次に、バルコニーのリフォームを行う際に検討しておきたいポイントを見ていきましょう。

 

・リフォームする範囲

新築してからの経過年数や立地条件などによって、バルコニーの劣化状況は異なります。あまり劣化していない場合は屋根や手すりの交換といった簡易的な工事で済みますし、かなり傷みが進行していればすべて撤去して基礎から作り直す場合もあるでしょう。

床の状態によっては防水工事やコンクリートの補修工事が必要なこともあります。予算もありますから、現在の劣化状況に合わせた工事内容を検討しましょう。

 

・機能の追加

洗濯物が急な雨で濡れるのを避けたり花粉やPM2.5などの飛散物が洗濯物につかないように、室内干しをする家庭は少なくありません。とはいえ天気がいい日はできるだけ日光に当てて自然に乾かしたいもの。そういった要望に合わせて、オープンな状態のバルコニーをサンルーム化するというリフォームが増えてきています。強化ガラスなどの素材を使ってバルコニー部分に壁をつくり、日光や風を通しながら雨はよけられるのがサンルームのメリットです。

 

こうした機能追加を目的としたリフォームをする場合は、既存のバルコニーの状態から補修が必要な箇所のチェックをしっかりした上で、部材を追加していく必要があります。

 

・デザイン性の向上

比較的面積が広いバルコニーやルーフバルコニーの場合は、室内の延長線上のスペースとして使う機会が多いですから、室内のインテリアとのバランスを考えたいものです。室内の床とバルコニーの床を同系色にすると、窓サッシを挟んでいてもひとつの空間として認識しやすく、室内の床面積が広がったような付加価値がつきます。また、バルコニーの床部分をタイルやウッドなどの素材で仕上げると高級感が出ます。

 

バルコニーの床は外から見えないため、コンクリートやシート仕上げにしているケースが多いのですが、リフォームによって室内との一体感を考慮すると、バルコニーだけでなく室内の快適性もアップするというメリットがありますから一度は検討しておきたい項目と言えるでしょう。

 

・設置位置

現在設置されているバルコニーを撤去して違う位置に付けたり、既存のバルコニーを広くしたりするリフォームを行う場合は、新設や増設をする位置の方角をチェックしておきましょう。洗濯物や布団を干したり、ガーデニングをするのが主な用途なら、北向きのバルコニーが増えても日当たりがよくないために使いづらい可能性があります。

 

また、前面道路から死角となる方角に設置しているバルコニーは空き巣の侵入経路として使われやすいというデメリットがあります。戸建住宅では「2階なら大丈夫だろう」と施錠していないことが多く、そのすきを狙って空き巣が侵入するケースがあります。雨どいなどを伝えば比較的簡単に2階まで上がってしまうことができますから、防犯の面からのチェックも不可欠です。

 

バルコニーのリフォームで注意しておきたいポイントは?

バルコニー リフォーム

 

 

リフォームをすれば使い勝手が予想以上にアップするバルコニー。リフォームを行う際に注意しておきたいポイントについてもつかんでおきましょう。

 

メンテナンスをしていないケースが多いバルコニーですが、床の防水の耐久期間は一般的に10年前後です。防水性に問題があるまま使用し続けていると、雨天時に雨漏りなどのトラブルが起きる原因になります。新築から10年前後経っているなら、広さやデザインといった面のリフォームと同時に防水施工を行うことを考えましょう。

 

次に注意したいのは、バルコニーが住宅の外観の一部であるという点を忘れないことです。床面は室内のインテリアとのバランスを考慮しますが、手すりや壁の外側は住宅の外壁とつながっていますから、いわば住宅の顔ともいうべきところ。単に塗装のし直しや作り直し、手すりの交換で新しくなればいいというのではなく、外観全体でバランスをとることが大切です。

 

外壁と同じ色で統一するパターン以外に、バルコニー部分だけ塗装の色を変えてアクセントにするパターンや、タイルなどの異素材を使って仕上げるパターン、壁の一部にスリットを設けてデザイン性を高めるパターン、個性的なデザインの手すりを追加するパターンなどいろいろなプランが考えられます。モダンテイストや和風テイストなど、住宅の外観デザインとフィットする仕上げにしましょう。

 

手すりを付ける場合、その素材にもこだわりたいものです。軽量で手入れがしやすいアルミ製、重厚感があるスチール製など見た目や手入れのしやすさに合わせて選びましょう。

立ち上がりを壁ではなく格子にする場合、縦格子にするか横格子にするかで雰囲気は変わります。縦格子は従来からあるタイプでどちらかというと和風な印象が強く、落ち着いた雰囲気になります。対して横格子は縦格子と比べるとモダンな印象が強く、軽快ですっきりとした雰囲気になります。最近はウッド調のタイプも人気で、格子ではなくパネル式になっているタイプ、光を通しながら視線はカットできる透明パネルタイプなどバリエーションが増えてきています。住宅の外観や好みに合わせて選ぶといいでしょう。

 

そして他の箇所のリフォームと同じく、検討段階では複数の業者に見積をとって金額を比較するのは基本です。出した希望に対して適切な見積金額を出しているか、プラスαの提案をしてくれるかといった点をチェックしながら相談を進めていくのがおすすめです。

 

リフォームによってバルコニーの使い勝手がよくなると、洗濯物を取り込んだり干したりする家事がしやすくなったり、2階の快適性がアップしたり、住宅の外観がよくなったりとさまざまなメリットが生まれます。予算とのバランスを見ながら納得できるリフォームを実現させていきましょう。



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