より暮らしやすく!増築リフォームで快適な毎日を過ごせる家にするためのコツと注意点をご紹介!

 両親と同居することになった、独立し家を出ていた子供夫婦が帰ってくることになったなど、住まい方の環境が大きく変わるのをきっかけにリフォームを検討するという人は多いでしょう。今の家だと物理的な広さが足りないとなると、増築という方法を考えることになります。

増築はリフォーム工事の中でも予算がかかり、工事期間が長くなる内容だけに、どういった増築をするのかをしっかり吟味しながら話を進めていく必要があります。今回は、増築リフォームを成功させるコツと、失敗しないために意識しておきたい注意点について紹介していきます。

そもそも増築リフォームとはどういう工事?

増築リフォームとは、現在の家の床面積を物理的に増やす工事を指します。一般的なリフォームは、室内の内装や住宅設備機器を新しくする、水まわりの配置を変更する、間仕切り壁を移動して間取りを変更する、屋根や外壁などの外まわりを補修するといった工事を行いますが、増築は家全体の床面積を広げる工事となります。

たとえば平屋建ての家を2階建てにする、端の部屋の壁面を壊して新たに居室をつくり連結するといった工事が増築工事と呼ばれるもので、すでに建っている家に対してこうした工事を行う形になるのでリフォーム工事扱いになります。

増築リフォームを行うメリットは?

間取り変更や設備機器の交換といった一般的なリフォーム工事と比べて、増築リフォームにはどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットを3つ紹介します。

・引っ越すことなく今より広い家を手に入れられる

2階部分や部屋の数を増やす増築リフォームは、現在の家の床面積を広げる方法です。家族が増えたりライフスタイルが変化したことで手狭になった場合に、今の家を売却して広い家を新たに購入するという方法もありますが、この方法だと通勤や通学に影響が出たり生活環境の変化が大きく慣れるまで時間がかかったりしますし、慣れ親しんだ土地を離れることに抵抗があるケースもあるでしょう。

増築リフォームなら、これまで暮らしてきた土地に住み今までの家でそのまま生活できるというのが大きなメリットと言えます。

・建て替えほど大掛かりな工事にならない

家族構成やライフスタイルの変化に合わせて行う工事として、増築のほかに建て替えという方法があります。建て替えは基礎部分を残して家全体をいったん取り壊し、一から建て直す方法です。間取りはもちろん、構造部分や住宅設備機器も一新できるためほぼ新築に近い家が建てられますが、予算がかかり工事期間が数ヶ月と長い上に、工事中は仮住まいが必要ですから生活リズムが大きく変わりストレスを受けやすいです。

増築の場合は長くても一週間程度で完了します。住みながら工事ができるため日常生活への影響は少なめで、仮住まいなどの追加費用も必要ありません。

・「こだわりのスペース」として楽しめる

増築リフォームは、今の家の間取りだと手狭で暮らしにくいのを解消するために行う工事です。個室を増やすという目的だけでなく、部屋の用途分けという意味を持たせることもできます。

たとえば、リビングダイニングで家族のだんらんも来客のもてなしも兼ねていたのが、増築によってリビングは家族のだんらんの場として、増築したスペースは客室として使えるようになるといったケースは、用途分けの好例です。

また、増築したスペースを趣味の部屋にすることで、既存部分のリフォームをせずに済むといった場合もあります。たとえば手芸が趣味の場合、増築した部屋をワークスペース兼ディスプレイスペースとして使えるよう設計すれば、既存部分はそのままでこだわりのスペースを手に入れられるのです。

増築リフォームを成功させるための注意点とは

物理的な面積の拡張によって暮らしやすさがぐんとアップする増築リフォーム。敷地に余裕がある場合は増築リフォームを考えがちですが、増築リフォーム特有の注意点をきちんとチェックしクリアしていくことが重要です。主な増築リフォームの注意点について紹介します。

・建築確認申請の必要の有無を確認する

増築リフォームは、補修や改築などのリフォーム工事とは違って家全体の床面積が増えるので、法令に従っている内容になっているかをしっかり確認しておかなければいけません。

まず、増築リフォームとして10㎡以上のスペースを増築する場合は、建築確認申請が必要です。さらに、現在の家が建っている土地が防火地域・準防火地域に指定されているなら、1㎡程度の増築であっても建築確認申請を行うことになります。防火地域や準防火地域は都市部に多いというイメージがあるかもしれませんが、郊外でも大きな道路に面した土地は指定されている可能性が高いため、事前に施工業者に土地の指定の種類を確認してもらっておくと安心でしょう。

「新築ではないのだし大丈夫だろう」という考えは危険で、建築確認申請を怠ると違法建築になります。10年後20年後になって大掛かりなリフォームを行いたい場合にリフォームローンの申請が通らなかったり、売却したくてもなかなかできないといった状況になる可能性もありますから、真摯に対応しましょう。

・建築基準法を遵守しているか確認する

床面積を増やす工事である増築リフォームを行う際は、建築基準法にのっとって設計施工しなければいけません。増築部分だけでなく既存部分にも適用されるので、家全体として建築基準法に反していないかをチェックする必要があります。

特に注意したいのは、建築基準法の耐震基準が大きく変わった1981年以前に建てられた家を増築する場合です。増築部分だけではなく、既存部分についても新耐震基準をクリアしておかなければいけないため、1981年以前に建築された家だと既存部分の耐震補強工事が追加になったり、場合によっては建て替えになってしまうこともあります。増築リフォームを検討する際は、既存部分がいつ建築されたのかを確認しておくことをおすすめします。

・増築リフォームの実績がある施工業者を選ぶ

増築リフォームは単純に部屋を増やすだけの工事ではありません。既存部分としっかり連結して雨漏りなどが起きないようにすることが必要です。また、既存部分と増築部分との耐震補強の差がある場合は、地震が起きた時にそれぞれの揺れ方が違うことでせん断してしまうことを防ぐため、緊結方法を工夫する技術が求められます。

これまでに増築リフォームを行ったことがある施工業者であれば、こうしたポイントをきちんと押さえて工事内容を決定し見積を出してくれます。また、既存部分と増築部分との構造的なバランスをしっかりチェックし、不安のない増築リフォームを進めていってくれるはずです。

一般的なリフォーム工事とは異なり、既存部分と増築部分との兼ね合いの確認が必要だったり、役所への申請作業が多かったりとやや特殊なリフォーム工事である増築リフォーム。大切な資産であり生活の場である家を守りながら安心して暮らすためにも、増築リフォーム工事に慣れている施工業者に工事を依頼することが大切です。

この記事を参考に、増築することで得られるメリットや注意すべきポイントをよく検討し、家族のライフスタイルに合わせて快適性を高める増築リフォームをぜひ成功させてくださいね。

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