そもそも雨戸の役割って?リフォームにあたって知っておくべき知識

日本家屋であれば雨戸があって当たり前…。そうお考えの方も多いかもしれませんが、実は北海道など一部の地域の家屋では雨戸がないことも少なくありません。雨戸に馴染みのない地方の方、そもそも当たり前すぎて雨戸の意味がよく分かっていない方であれば、雨戸をリフォームするにも目的意識を持つことができないでしょう。

そこで今回は雨戸の役割とは何かという基本的な知識から、雨戸の種類などリフォームをする上で知っておくべきことについてご紹介します。
 

雨戸の役割

雨戸 リフォーム

 

 

何はともあれ、まずは雨戸がどのような役割を持っているかを押さえておきましょう。確認しなくても分かっている、という方でも見逃していたことがあるかもしれません。

 

雨風をしのぐ

雨戸という名前がついていることからも想像できる通り、雨戸の本来の役割は雨や風から窓を守ることです。もちろん多少の雨風であれば雨戸がなくても問題はありません。しかし台風などのような強い風であれば窓が耐えきれるとは限りませんよね。石や瓦屋根が飛んできて窓ガラスが割れてしまうという可能性も考えられます。とある地域では竜巻が発生したとき、雨戸を閉めていた家の窓は無事だったのに対し、雨戸を閉めていなかった家の窓ガラスはすべて割れてしまったという事例があります。ちなみに北海道の家に雨戸がほとんどないのは台風の被害が少ないからだといわれています。

 

防寒

冬が寒いのは当然ですが、窓際は部屋の中でも特に寒く感じますよね。最近は窓ガラスが二重になっている場合もあり、このタイプの窓であれば外の寒さを感じにくくて済みます。しかし厳しく冷え込む夜中や早朝にはそれでも不十分。そこで役に立つのが雨戸なのです。これまで雨戸を開けっ放しにしていたという方は一度雨戸を閉めたときの断熱効果を確かめてみてください。雨戸の持つ防寒性能に驚かされるかもしれません。

 

防犯

家を空けるときに不安になるのが空き巣の問題。しっかりドアや窓を施錠していたとしても、特殊な工具を使って窓から侵入されてしまうこともあるのです。雨戸の中には内側から施錠できるもの、スチールなど丈夫な金属で作られたものがあります。窓の鍵と合わせて雨戸も閉じておくことで高い防犯効果が期待できるでしょう。

 

その他

上で挙げた役割以外にも、暑い夏は日差しを遮ってくれたり外から部屋の中が見えないように隠してくれたりという役割があります。機能だけを考えれば雨戸を設置することに損はありません。

 

雨戸の種類

雨戸の役割が理解できたところで、具体的に雨戸にはどのような種類があるのかを押さえておきましょう。

 

シャッタータイプ

近頃一般的に採用されている雨戸がシャッタータイプ。開くときは窓の上のシャッターケースの中に丸めて収納されるため邪魔になりません。やや高額になりますが、最近は電動式のシャッターも販売されています。電動式であればわざわざ窓を開けて開閉する必要がないので便利ですよね。それ以外にも外から無理矢理開けるのが難しい、閉じている途中に物があるとそれを感知して止まるなどの雨戸もあり、防犯面・安全面ともに優秀なものが多いです。電気で動くものだと停電のときに心配という声もあるかと思いますが、非常時は手動で開閉できるタイプの雨戸も存在します。

 

折れ戸タイプ

クローゼットの扉のようなタイプ、といえばイメージしやすいのではないでしょうか。扉が外に向かって折り畳めるようになっているタイプの雨戸です。片側だけ閉めてもう片方は開ける、といったように部屋に入る日の量を調整することができます。雨戸というと日本風の印象があるかもしれませんが、折れ戸タイプであれば洋風の建築にもよく合います。

 

引き戸タイプ

押入れのふすまのような引き戸タイプは古民家のような少し歴史のある住宅によく使われています。古くからある雨戸のタイプで、雨戸といえば引き戸タイプといってもいいくらいだったのですが、戸袋が必要になるという点から最近は減少傾向にあります。

 

雨戸のリフォーム方法と費用

雨戸 リフォーム

https://refopedia.jp/one-story-house

 

雨戸の種類もさまざまですが、リフォームの方法もさまざま。雨戸リフォームには以下のようなものがありますのでそれぞれご説明します。

 

  • 塗替えリフォーム
  • 交換リフォーム
  • DIYリフォーム
  • 後付けリフォーム

 

塗り替えリフォーム

木材の場合は表面を塗装されていることが多いのですが、雨戸は雨や風にさらされている場所。当然ながら剥がれてしまったり塗装が粉状になってしまうチョーキングが発生したりといった問題があります。また最近はステンレスやアルミといった金属が使われていることも多いです。これらの金属は比較的水に耐性があるとはいわれていますが、やはり経年劣化は避けられないもの。表面に細かい傷がつき、水が中に入り込めばサビが生えてボロボロになってしまいます。

塗り替えリフォームは傷ついた雨戸の表面を保護し、雨戸としての機能を回復させるためのリフォームです。費用としては1枚の雨戸あたりおよそ2,000円~5,000円。家全体に雨戸が何枚あるかによりますが、すべてを塗り替えリフォームしようとすれば1万円~3万円ほどに落ち着くことが多いでしょう。ただここで覚えておきたいのが2階以上の雨戸をリフォームする場合はリフォーム代とは別に足場を組む費用もかかるということ。これには10万円~20万円かかってしまうため、リフォーム代金より足場代の方が高くなってしまうことも少なくありません。もし2階以上の雨戸も塗り替えるのであれば、ついでに屋根や外装の塗替えも一緒に行ってしまうことをおすすめします。

塗り替えにあたっては好きな色を選ぶことができますが、おすすめはブラックやブラウンなど濃い目の色。雨戸は汚れやすい場所ですので、淡い色では定期的な掃除が必要になるなど、メンテナンスが大変です。

 

交換リフォーム

おそらく雨戸のリフォームと聞いてイメージするのが雨戸の交換ではないでしょうか。古い雨戸を丸ごと新しいものに変えるため、見た目がキレイになるだけでなく機能性も大きく回復します。新しい雨戸を購入する分、費用は塗り替えよりも高くなってしまいますが、新しい雨戸は昔のものよりも高い技術が導入されており、防犯性・遮音性に優れます。多少費用がかかってもしっかりリフォームしたいという方におすすめです。

費用はおよそ2万円~30万円。かなり幅があるなと感じるでしょうが、どんなタイプ、どんなサイズの雨戸にするかでこれだけの変化で出てしまいます。例えば単純な板状のタイプであれば1枚あたり2万円~5万円ほど。ルーパー型という風通しを考慮した雨戸であれば3万円~6万円ほど。シャッター型なら8万円~15万円ほどになりますし、これが電動型であれば10万円~30万円になるでしょう。

 

DIYリフォーム

雨戸のリフォームくらいであれば自分でもできるのでは?と考える方もいらっしゃるでしょう。たしかに不可能というわけでもなく、充実感や費用を安く抑えられるかもしれないことを考えれば考慮する価値はあるかもしれません。ただしDIYリフォームには専門的な知識がいくらか必要です。塗り替えもただペンキを塗るだけではすぐに剥がれてしまったりムラができてしまったりというリスクがありますし、交換の場合は雨戸を壊してしまうかもしれません。費用としては1万円~10万円ほどになるでしょうが、DIYの場合でもまずはリフォーム業者の見積もりをとることをおすすめします。

 

後付けリフォーム

現状雨戸がなく、「うちにも雨戸が必要かも?」とお考えの場合は後付けリフォームになります。費用はおよそ2万円~30万円。交換リフォームと同じで雨戸のタイプ・サイズで費用が変動しますが、古い雨戸の撤去費用がかからない分安く済ませることができるでしょう。



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