耐久性もデザイン性も追求したい!玄関の床をリフォームする際のポイントと注意点について解説!

家族が毎日出入りし、来客が初めて目にする場所である玄関。家の印象を決定することも多いだけに、すっきりとおしゃれにまとめた玄関にしたいという人は多いでしょう。特に玄関の床は、歩行時の安全やデザイン性などこだわってリフォームしたいものです。

とはいえ、玄関の床にはどういった素材が適しているのか、どのように選んだらいいのか分からずつい悩んでしまいますね。そこで今回は、玄関の床をリフォームする際のポイントと注意点について紹介します。

玄関の床に適している素材とは?

玄関の床は、外から家に入ってきた時に初めて足を踏み入れる場所です。雨や雪といった悪天候の日には濡れますし、天気がいい日でも靴底についた土や砂が落ちるため、大変汚れやすい場所と言えます。濡れていても滑りにくいこと、土や砂が入ってきても掃除しやすいこと、汚れがとれやすいこと、こうした条件をクリアできる素材が玄関の床に適しているのです。

・タイル

玄関の床の仕上げ材としてもっともよく使われるのがタイルです。タイルの中でも、表面がざらざらしていて水にぬれてもすべりにくい外装床タイルと呼ばれるタイプを使います。外装床タイルには吸水性が低くよごれにくい磁器質と、逆に吸水性が高く見映えが美しいテラコッタとがあり、主流は派磁器質です。

磁器質タイルはサイズや色柄が豊富で、玄関やポーチ部分のインテリアに合わせて選ぶことができます。タイルの張り方によっても表情が大きく変わりますから、どういったタイプの磁器質タイルをどういうレイアウトで張っていくといいのか、事前にきちんと打ち合わせした方がいいでしょう。

・モルタル

セメントと砂を混ぜて作るモルタルで玄関の床部分を仕上げるケースも少なくありません。モルタル仕上げはタイルとは違って目地が出ず、フラットに仕上がるため、シンプルで無機質な雰囲気の玄関にしたい人にはおすすめです。

モルタルはすっきりとした印象を与えますが、下地を組んだ床部分に直接モルタルを塗っていく作業なので、塗りムラがあるととても目立ちます。職人の技術によって仕上がりに差が出ることがありますから注意が必要です。

・人工大理石

アクリル系やポリエステル系の樹脂を主成分として作られている人工大理石は、自然の石の質感をリアルに再現しているので高級感があります。天然石に比べると安価で、加工もしやすいため、玄関の床に使われることも少なくありません。

ただし傷がつきやすく、その傷に汚れが入り込むと色がくすんで見えるのが難点です。また、タイルやモルタルと比べると材質の価格としては高くなります。

玄関の床をリフォームする際に重視したいポイントとは?

玄関はパブリックな空間ですから、家族だけでなく来客も必ず入る場所です。それだけに玄関の床にはさまざまな機能が求められます。リフォームによって今よりもより使いやすい玄関にできるよう、玄関の床をリフォームする際のポイントをまとめました。

・安全性を最優先する

玄関の床にもっとも求められるのは安全性です。雨や雪の日に靴や傘についた水分で玄関の床はかなり濡れますが、濡れても滑りにくい加工がしてある素材を使うのが鉄則です。掃除がしやすいよう表面がつるつるしている素材を選びたいと思うかもしれませんが、こうした素材はすべりやすいのでおすすめしません。

タイルメーカーのカタログで「屋外用」と書いてあるタイルならまず間違いありませんが、表面にあえて微細な凹凸をつけてざらざらした触感に仕上げてある屋内用タイルでも施工可能です。

・周囲の内外装とのバランスを考慮する

玄関は家の外と中との境に位置する場所です。玄関内の内装だけでなく、玄関ドアを開けた時には外観と同じ視界に入りますから、基本的には玄関ポーチと同じ素材や色で仕上げるとすっきりまとまります。

たとえば玄関のインテリアも外観も明るめで自然な雰囲気のナチュラルテイストでまとめている中、玄関の床だけ濃く豪華な雰囲気の質感や柄の素材にすると、床だけが浮いてしまってバランスが取れません。玄関の床だけに注目せず、外から玄関に入ってきた時にどう見えるのか俯瞰して質感や色を選ぶようにしましょう。

・お手入れのしやすさもチェックする

先ほども触れたように、玄関の床は汚れや傷がつきやすい場所です。靴やベビーカーなどによる摩耗や傷、土や砂などによる汚れがどうしてもついてしまいます。ある程度汚れがつくのは仕方ないので、汚れてもすぐに落とせるような加工が施してある素材で仕上げるのがいいでしょう。

タイルの場合、問題なのはタイル本体ではなく目地です。タイルには防汚機能があっても目地にはないことがほとんどなので、汚れがたまってくると目地の色がくすんでくることが多いです。汚れが目立たないようにするには、白い目地ではなく薄いグレーの目地にするなど、タイルよりも濃い色の目地にするのがおすすめです。

センスの良さを感じさせる上手な玄関床のリフォーム術

せっかくリフォームするなら、ひと味違う雰囲気の玄関にしてみたいと考える人も多いのではないでしょうか。玄関の床でセンスのいい玄関に見せるコツを2つ紹介します。

・あえてランダムな仕上がりにする

タイルや人工大理石を採用する場合、同じサイズのタイルや人工大理石を規則正しく並べて張るのが一般的ですね。子の仕上げはすっきりと統一感が出る一方で、変化に乏しく個性が感じにくいと言えます。

玄関の床はそう大きなスペースではないので、少し冒険してみるのもおすすめ。たとえば、乱形と呼ばれる不均一な形のタイルや石材をランダムに張っていく方法は、欧米の歩道を思わせるとてもおしゃれな仕上がりになります。玄関内の壁や下駄箱収納などをシンプルにまとめておくと、床がさらに目立って個性的ですよ。

・さまざまな大きさのタイルを並べて張る

タイルで玄関床を仕上げる場合、同じサイズで縦横の目地を通した張り方をすることが多いです。こうした張り方を少しアレンジして、正方形と長方形、大きいサイズと小さいサイズを混ぜ合わせて張っていくと立体感が出ます。

さまざまな大きさのタイルを選ぶと当然目地が通りませんから、まとまりよりもリズム感が強く出ます。ドアや上がり框、廊下の床、下駄箱収納の扉など玄関スペースを構成する部分はシンプルな形状の物が多いため、床で変化を出すことができておしゃれな雰囲気が強くなります。

・同系色のタイルを2~3色混ぜ合わせる

変化をつけにくい玄関スペースに立体感を出す方法として、玄関タイルの色を増やすという方法もあります。もしベージュ系のタイルで玄関の床を仕上げるなら、アイボリーとベージュとブラウンといったように同系の色を複数混ぜてランダムに張っていくのです。この場合、目地が縦横に通っていてもタイル本体の色で変化が出せるため、色の配分によって個性を出せるのです。

ポイントは同系色のタイルでまとめることと、混ぜる色の数は多くても3つまでに抑えることです。色の数が増えすぎると雑然とした印象になって逆効果になりかねませんから注意しましょう。

家の中と外をつなぐ場所である玄関は、なかなか個性を出しにくい場所です。しかし安全性やメンテナンス性を考慮しながら工夫すれば、デザイン性の高い仕上がりにすることも十分可能です。おしゃれな玄関を演出するために、玄関の床にこだわったリフォームにぜひ挑戦してみてくださいね。

Page Top