収納に注目したマンションリフォームをする時はここがポイント!進め方や注意点について解説!

入居時は十分だと思っていた収納スペースが、生活していくうちに足りなくなってくるということはよくありますね。特にマンションは戸建に比べると収納スペースが少ない傾向にあり、同じ人数の家族構成でも収納スペースが不足しがちです。

 

物があふれがちになってきた、家族それぞれに収納スペースを分けたいなど入居時から収納スペースの使い方に問題が出てきたら、リフォームで対応していくのが有効です。少し手を加えることで使い勝手がぐんと上がるバルコニー。リフォームを行う場合にはいくつか注意しておきたい項目があります。そこで今回は、マンションの収納リフォームの進め方や注意したいポイントについて解説していきます。

 

マンションの収納スペースをどのようにリフォームするといい?

マンションで収納リフォームを行う目的は主に2つあります。ひとつは収納量の増加、もうひとつは収納効率の向上です。

 

収納量の増加は、マンション内にある収納スペースのすべてを対象として検討します。特に物が多く集まりやすいリビングやキッチン、個室、玄関などは収納スペースの広さもそれなりにあるので、収納スペースを物理的に増やすだけでなく、スペース内のレイアウトを変えて幅や高さを最大限に活用したり、スペースと壁や天井とのすき間をスペースに取り込むためのリフォームを行うことになります。

 

収納効率の向上は、いわゆる家事動線をコンパクトにするという目的でリフォームを行います。たとえばバルコニーで干した洗濯物を取り込んだ後、母親がたたんで住宅内のあちこちに収納して回るのではなく、家族各自が自分の洗濯物を取って自分で収納できるように取り込んだ洗濯物をいったん仮置きする収納スペースをバルコニー近くの場所につくるといったことをさします。

共働き世帯で夫婦ともに忙しい、家族が多く母親だけでは家事が回らないといった家庭では、特に家事動線の短縮化を目的とした収納リフォームは効果があるでしょう。

 

有効なマンションの収納リフォームを部屋別にチェック!

では、より有効なマンションの収納リフォームとは具体的にどのような内容があるのでしょうか。部屋別に見ていきましょう。

 

・リビングダイニング

マンションのリビングダイニングには、意外と収納スペースは多くありません。ニッチタイプのオープン棚や扉付きの小さな物入れがある程度で、基本的には既製家具や造作家具で収納スペースを確保する傾向にあります。

 

壁から壁までのスペースをシステマティックに活用したいなら、造り付け収納をリフォームで増設するケースが多いです。天井まですべて収納スペースとして使えるため、横幅だけでなく高さもしっかり活用できます。

 

・キッチン

食器や調理器具、食品のストックなど物が増えやすいキッチンは、大きな収納スペースがあると便利な箇所のひとつ。最近のシステムキッチンは収納量がアップしてきているので、よく使う調理器具や調味料などはキッチン本体に収納し、それ以外の物を食器棚などに収納することになります。

 

リフォームで収納量を増やすには、キッチン全体のリフォームにともなってパントリーを増設したり、リビングダイニングと同じく天井までの造り付け収納を設置して効率的にスペースを活用する方法がおすすめです。調理や配膳の動線がスムーズであるよう、配置にも注意が必要です。

 

・洗面室やトイレ

あまり広くない洗面室やトイレは、収納スペースを増やすというのは現実的ではありません。ニッチ部分、たとえば洗濯機の上部やサイド、トイレ手洗いカウンターの下部や便器の上部などを有効に使えるよう棚やキャビネットを増設するのが一般的です。

 

・個室

マンションの個室は、5~8畳程度の広さに1~2畳程度の収納スペースがついているという間取りが一般的です。服が掛けられるようにハンガーパイプがセットされていることが多く、梁が天井から下りている場合は高さが制限されます。

ウォークインクローゼットが設置されていれば比較的ゆったりと収納スペースが取れていますので、奥行や高さを最大限活用できるように棚などをリフォームで増やす方法がよくとられます。

 

・玄関

マンションは居室をより大きくとるために玄関をコンパクトに設計してあることが多いです。そのため収納スペースとしては下足入れを設置してあるパターンがほとんどです。基本的には、下足入れの内部レイアウトを工夫する方法が有効です。

 

床面積が広いファミリー層向けのマンションだと、シューズインクローゼットが設置されているケースが増えてきました。玄関スペースをうまく活用した設計になっていることが多いので、スペース内の棚を増やしたり、収納物の高さに合わせて可動する棚を追加するリフォームが有効です。

その他、間取り変更などの大規模なリフォームを行う場合は、収納スペースの増加を見込んで設計してもらうといいでしょう。

 

マンションの収納リフォームで注意しておきたいポイントは?

マンション リフォーム

 

 

マンションのリフォームで収納スペースを増やしたりレイアウトを工夫したりする場合、いくつか注意しておきたいポイントがあります。ひとつずつ見ていきましょう。

マンションは、増築できる戸建とは違って居住面積を増やすことができません。つまり、今の居住面積の中でリフォームを考えなければいけません。

 

この条件で収納スペースを増やすということは、居住スペースが減るということにつながります。たとえば寝室のウォークインクローゼットをもっと広くしたいという場合、ベッドやサイドテーブルを置く居住スペースを削って収納スペースに当てることになります。用途によってはゆったりとした面積が必要な部屋もありますから、やみくもに収納スペースを増やすことだけを考えず、居住スペースとのバランスを見ながら広さを検討することが大切です。

 

また、収納は生活動線と密接な関係があります。いくら広い収納スペースが取れたとしても、家事動線や来客動線を分断したり、各動線と離れすぎたりしているとかえって使いづらくなり、せっかくのスペースが生かされないばかりか物があふれる原因になりかねません。

収納スペースが有効に生かされるのは、収納する物を使う生活動線の途中に設置した場合です。収納スペースが「どれくらいあるか」だけでなく、「どこにあるか」という点も忘れずにプランを考えることをおすすめします。

 

また、意外に盲点になっているのが高さです。収納スペースが足りない原因には、既存の収納スペースの高さを活用できていないケースも少なからずあります。特に視線が届きにくい肩の位置から天井までのスペースは、位置が高いだけにデッドスペースになりがち。この部分が活用できているかをチェックして、活用できていなければスペース内の棚のレイアウトを変えるだけの簡易リフォームでも十分収納量はアップしますよ。

 

住まいにおいて収納はもっとも関心が高い分野のひとつです。それだけすっきりと収納したい、上手に収納スペースを活用したいと考えている人が多いということです。収納リフォームを成功させるには、まず所有している物の量と既存の収納スペースの活用度合いをしっかり把握すること。その上で、スペースを有効活用できる効果的な収納リフォームを進めてみてはいかがでしょうか。



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