仙台市の夏を涼しく!暑さ対策リフォームの種類や費用の目安を解説
準寒冷地に当たる仙台市ですが、近年は夏場の気温上昇が激しく、7〜8月には35度超えの猛暑日を記録する日もまれにあります(※)。湿気も多い地域なので、蒸し暑さに不快感を覚える方も多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが、住まいの暑さ対策リフォームです。暑さ対策リフォームには、どのような種類があるのでしょうか。
本記事では、夏の暑さ対策におすすめのリフォームの種類や、費用相場などを解説します。ご自宅に適した暑さ対策リフォームを実施して、夏を快適に過ごしましょう。
※参考:気象庁.「2024年の猛暑日・真夏日などの日数」 ,(2024-09-02).
仙台の夏とリフォームによる暑さ対策の必要性
仙台市は日本全国の主要都市の中でも、真夏日(30度以上)と真冬日(0度以下)の合計が少ない都市の一つとされています。寒暖差が少ないため、年間を通して過ごしやすいエリアだといえるでしょう。
しかし、近年の全国的な夏場の気温の上昇は、仙台市も例外ではなく、7〜8月の気温は上昇傾向です。2024年の平均気温は7月が26.1度、8月が27.4度でした(※1)。2024年6〜8月にかけて、猛暑日(35度以上)は3日でしたが、真夏日は45日あり、仙台市でも夏の暑さは無視できないものとなっています(※2)。
さらに、仙台市は比較的湿度が高い傾向にあります。そのため、実際の気温がそれほど高くなくても、湿度の影響で体感温度が上がりやすく、蒸し暑さによる不快感を覚える人も少なくありません。
このような状況から、夏場はエアコンをフル稼働させているご家庭も多いです。特に小さなお子さんや高齢の方が暮らしているご家庭では、室内での熱中症予防にもさまざまな対策を講じているのではないでしょうか。
しかし、エアコンを使い続けるだけでは、光熱費がかさみがちです。電気代を抑えつつ快適な住空間を維持するためには、暑さ対策を目的としたリフォームの検討をおすすめします。
※1 参考:気象庁.「仙台(宮城県) 2024年(月ごとの値) 主な要素」 ,(参照 2024-03-31).
※2 参考:気象庁.「2024年の猛暑日・真夏日などの日数」 ,(参照2024-09-02).
夏の暑さ対策には断熱リフォームが有効
リフォームといってもさまざまな種類がありますが、夏の暑さ対策を目的とする場合は、断熱リフォームがおすすめです。断熱リフォームとは、窓や壁、屋根、床など、外気が入り込む箇所をリフォームし、住宅の断熱性を高めることを指します。
夏場に室温が上昇するのは、外から熱気が侵入することが原因です。一般的に、夏場に熱気が侵入する割合は、窓が74%と最も高く、次いで外壁が12%、屋根が6%、換気が5%、床が3%とされています(※)。壁や屋根、窓、床に断熱リフォームを施すことで、外から熱気が入り込みにくくなることに加え、室内の冷たい空気が逃げにくくなる効果も期待できるため、室温を快適に保つことができるのです。
断熱リフォームを施して室温の上昇を抑えられると、エアコンの使用頻度を減らしたり、設定温度を必要以上に下げたりする必要もなくなります。エアコンの使用を抑えられれば、電気代節約にもつながるでしょう。
また断熱性を高めると、冬場も外から冷気が入りにくく、室内の暖かい空気が逃げにくくなるため、寒さ対策にもなります。もちろん、暖房効率も良くなるので、冬場の電気代を抑えられる可能性が高いです。加えて、断熱性が高い家は、室内の寒暖差を抑える効果やカビ・結露の発生を防ぐ効果も期待できます。
夏場だけに限らず、年間を通して快適に過ごすためにも断熱リフォームはおすすめです。
※参考:A-PLUG powered by YKKAP.「第1回「知られざる事実!? 家の中で熱の出入りが1番多い所は、アソコだった!」,(参照2018-06-15).
熱気の侵入を防ぐ外装の断熱リフォーム
外の熱気の侵入を防ぐには、外装の断熱リフォームがおすすめです。代表的な外装の断熱リフォームを3つご紹介します。
壁の断熱
前述した通り、室内に侵入する熱気のうち12%は外壁から入り込んでくるため、壁の断熱を行うことで、効果的に家全体の断熱性を高めることが可能です。
壁断熱を大きく分けると、以下の3種類があります。
- 充填断熱工法:壁の内部にボードや断熱材、液体などを充填する
- 外張り工法:構造と外壁の間に断熱材を施し、建物全体を覆う
- 吹き込み工法:断熱材の原料を外壁の隙間や構造内に吹き込む
断熱材として用いられる代表的な素材には、以下の種類があります。
- グラスウール
- ロックウール
- ビーズ法ポリスチレンフォーム
- 硬質ウレタンフォーム
- 高発泡ポリエチレンフォーム
- セルロースファイバー
- ウール
このうち、特に断熱性が高いのは、ビーズ法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレンフォームといった石油系の断熱材です。価格が抑えやすいのは、グラスウールやロックウールといった鉱物系の断熱材になります。
断熱材の種類によって、断熱性やコストが変わってくる他、施工のしやすさなども異なるため、壁の断熱を行う際は、業者と相談して、ご自宅の状態や予算に合ったものを選ぶようにしましょう。
屋根・天井の断熱
屋根断熱は文字通り、屋根に施す断熱リフォームで、屋根の構造部分に断熱材を埋め込む
「充填断熱工法」と、屋根の外側にボード状の断熱材を張る「外張り工法」があります。一方、天井断熱は、天井材の上に断熱材を施す断熱リフォームです。
従来は天井断熱を選ぶご家庭が多い傾向にありましたが、近年の住宅はデザイン性が高まり、吹き抜けやロフトのある設計が増えてきました。天井断熱では吹き抜けやロフトがある場合、断熱効果が期待できないため、近年は屋根断熱を選ぶ方も増えています。
施工にかかる費用が抑えやすく、冷暖房効率を高められるのは天井断熱です。ただし2階建て以上で天井断熱をする場合、下層の室温は上昇しやすい傾向にあります。どちらが優れているとは一概にいえないので、ご自宅の形状や予算を考慮して、どちらの断熱リフォームを行うか検討すると良いでしょう。
ちなみに屋根断熱と天井断熱を併用しても、あまり効果は期待できません。
玄関ドアの断熱
玄関ドアを断熱性能のあるドアに取り替えることでも、外からの熱気の侵入を防げます。
室内が快適でも、玄関付近が異常に暑いと感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。開け閉めする機会が多い玄関からは、多くの熱気が侵入します。また気密性が低いドアの場合、開けていなくても少しずつ熱気が入り込みやすいです。特に築年数がたっている建物は、気密性が低い傾向にあります。
玄関ドアの断熱はドアを取り替えるだけなので、断熱リフォームの中でも比較的施工が簡単です。ほとんどの場合、1日あれば完了するため、手軽に行えるでしょう。
エアコン効率を高める窓の断熱リフォーム
エアコン効率を高めたいなら、窓の断熱リフォームがおすすめです。前述した通り、室内に入り込む熱気のうち、74%は窓から入り込みます。窓を断熱すれば、電気代を抑えながら、室内での熱中症のリスクを軽減することが可能です。
代表的な窓の断熱リフォームを4つ見ていきましょう。
内窓(二重窓)の設置
今ある外窓の内側に内窓を取り付け、二重窓にするのは、代表的な窓の断熱リフォームの一つです。
窓を二重にすることで、外気の侵入を防げるため、断熱性がアップします。マンションなどの集合住宅の場合、共有部に該当する窓のリフォームが難しいことがありますが、内側に取り付けるだけの内窓の設置は、許可が下りるケースもあるようです。
また防音性も高まるので、家族のプライバシーを守りやすくなります。二重窓は外から侵入しづらく見えて、空き巣などから狙われにくくなるため、防犯性の向上も期待できるでしょう。
窓ガラスの交換
断熱性が高められる窓ガラスに交換するのも、おすすめの窓の断熱リフォームの一つです。
一般的に窓ガラスに使用されているのは、一枚板の「単板ガラス」です。単板ガラスの代わりに、二重や三重で構成される「複層ガラス」に交換すると、窓から外気が入りづらくなる上、室内の冷たい気温が逃げにくくなるので、断熱性向上に効果が期待できます。
また、ガラスに「Low-E膜」と呼ばれる特殊な金属膜をコーティングした複層ガラスは、さらに高い断熱性が期待できます。窓の外側にLow-E膜を施した遮熱タイプと、窓の内側にLow-E膜を施した断熱タイプがあり、夏の暑さを軽減するには、遮熱タイプがおすすめです。Low-E膜複層ガラスは、防音性の向上にも役立ちます。
サッシの交換
窓のサッシを交換することによっても、断熱性を高めることが可能です。
従来の窓サッシは、アルミサッシが一般的でした。しかし、近年断熱性を高められるサッシとして、北海道などの寒冷地を中心に、樹脂サッシが採用されるケースが増えています。樹脂サッシはアルミサッシに比べて気密性が高いため、外気の侵入を防ぎ、室内の空気が逃げるのを防ぐ効果が期待できるのが特徴です。また、防音効果も期待できます。
加工しやすい素材で、デザインやカラーもさまざまなものがあるので、ご自宅にぴったりのリフォームができるでしょう。ただし、アルミサッシと比較すると強度が低く、強度を出すために厚みを持たせる必要があります。
断熱フィルムの貼付
手軽に窓の断熱性を高めたいなら、断熱フィルムの貼り付けがおすすめです。
断熱フィルムは、文字通り断熱効果を持つフィルムを指します。フィルムを貼ることにより、窓からの空気の流入・流出を防ぐことが可能です。また、窓ガラスの飛散防止効果も得られるため、災害時のけが防止にもなります。
フィルムによっては日中に外から室内を見えにくくする効果を持つものもあるので、家族のプライバシーを守りたい方にも適しているでしょう。
その他の暑さ対策リフォーム
ここまで紹介した以外の暑さ対策リフォームの例を3つご紹介します。
遮熱塗料の塗布
屋根や外壁に遮熱塗料を塗布することによっても、暑さ対策を行うことができます。
遮熱塗料とは、太陽光や近赤外線を反射させる効果を持つ塗料のことです。屋根や外壁に遮熱塗料を塗布すると、室内の温度上昇を抑えることができるため、夏場の室内を快適な温度に保てるようになるでしょう。遮熱塗料が屋根や外壁を保護する役割も果たすので、ご自宅のメンテナンスコストを軽減させる効果も期待できます。
遮熱シートの貼り付け
屋根や外壁に遮熱シートを貼り付けるのも、おすすめの暑さ対策リフォームです。
遮熱シートはアルミ素材でできたシートのことで、日差しによる暑さを和らげ、室温の上昇を防ぐ効果があります。また冬場は室内の空気が外に逃げるのを防ぐので、寒さ対策にも効果的です。特に外気が通り抜ける「通気層」にシートを貼り付けると、遮熱効果を高めることができます。
すだれやシェードの設置
すだれやシェードの設置は、DIYでも行いやすい暑さ対策リフォームの一つです。
窓に取り付けて日差しを防ぐすだれやシェードには、遮熱効果が期待できます。窓から入り込む日射熱を抑えることで、室温の上昇を防ぐことが可能です。
すだれというと昔ながらのものをイメージする方も多いかもしれませんが、最近はモダンでデザイン性の高いすだれも増えています。シェードはさらにバリエーションが豊富なので、ご自宅のイメージに合わせて設置すると良いでしょう。
暑さ対策リフォームにかかる費用の目安
暑さ対策のリフォームには、どの程度の費用がかかるのでしょうか。ここでは各リフォームにかかる費用の目安をご紹介します。
ただし、ここでご紹介する費用は、あくまで目安です。使用する断熱材などの素材、ご自宅の規模、業者によって料金は大きく変動することがあります。暑さ対策リフォームをご検討している方は、複数の業者に相談し、見積もりを取って比較するようにしてください。
外装の断熱リフォームの費用
断熱リフォームの種類 | 費用相場 |
壁の断熱 | 4,000~30,000円 / ㎡ |
屋根の断熱 | 4,000〜8,000円 / ㎡ |
天井の断熱 | 4,000〜8,000円 / ㎡ |
玄関ドアの断熱 | 500,000〜800,000円 / 箇所 |
窓の断熱リフォームの費用
断熱リフォームの種類 | 費用相場 |
内窓(二重窓)の設置 | 50,000〜200,000円 / 箇所 |
窓ガラスの交換 | 30,000〜150,000円 / 箇所 |
サッシの交換 | 50,000〜600,000円 / 箇所 |
断熱フィルムの貼り付け | 11,000〜16,500円 / 箇所 |
その他の断熱リフォームの費用
断熱リフォームの種類 | 費用相場 |
遮熱塗料の塗布 | 3,000〜6,000円 / ㎡ ※屋根の場合 |
遮熱シートの貼り付け | 2,500円程度 / ㎡ |
すだれの設置 | 5000〜16000円程度 / 箇所 |
シェードの設置 | まっすぐ下ろして固定するタイプ:53,000円程度~ / 箇所
斜めにして固定するタイプ:60,000円程度~ / 箇所 |
仙台市で断熱リフォームをお考えの方へ
全国的に見ると比較的仙台市の夏の気温は低めですが、近年は真夏日も増え、室内にいても熱中症のリスクがあります。暑い夏でも快適に過ごせる住環境を整えるには、断熱リフォームがおすすめです。ぜひ本記事を参考にして、ご自宅に適したリフォームを検討してみてください。
ONOYAでは仙台市で断熱リフォームを含むさまざまなリフォーム・リノベーションを承っています。「自宅にどのような断熱リフォームが適しているか」「予算内でできる断熱リフォームにはどのようなものがあるか」など、断熱リフォームに関する疑問がある方は、お気軽にご相談ください。