屋根をリフォームして屋上にできる?知っておきたい基礎知識

どんな家にでも必ずあるのが「屋根」。誰もがご存知の通り屋根は雨や雪を防いでくれる役割を持っていますが、もし屋上としても活用することができれば素敵だと思いませんか?よく晴れた空の下で洗濯物を干したり、少し高い場所から辺りの景色を楽しんだり、活用の仕方はいろいろと考えられます。憧れの屋上を手に入れるべく、リフォームでなんとかならないだろうかと考えている方もいるでしょう。しかし具体的にどのようなリフォーム工事を進めていくのか想像もできないという方がほとんどのはず。そこで今回は、屋根を屋上にリフォームするときに知っておきたい基礎知識をご紹介します。
 

屋根を屋上にするには

屋根 リフォ―ム

https://refopedia.jp/roof-renovation

 

単に屋根といっても家によって形はぞれぞれですよね。もちろん工事のやり方だって家に合わせて変える必要があります。

例えば三角屋根の家だとそもそも人が登れません。そのためこのタイプの屋根を屋上にリフォームするには家の一部を解体し、天井から上を作り直す必要があります。大規模な工事になるため、工期がそれなりにかかることは想像に難くないでしょう。

一方、鉄筋コンクリートで屋根も平ら、という場合であればいくつか補強するだけで良く、大きく解体する必要がありません。解体する場合と比べればいくらかお手軽に済ませられます。

 

費用はどのくらいかかる?

解体し作り直すような工事であれば結構な費用になるのは間違いありません。一方、補強するだけで済むのなら解体するよりは圧倒的に安く仕上がるでしょう。他にも家の構造などの問題もあり、一概にこのくらいの費用がかかるだろうと提示することはできません。

参考までに新築の住宅に屋上を設置するとなればプラス200万円程度の費用がかかります。しかし後から手を加えるとなると、最初から設計に組み込むよりも手間がかかってしまい、費用もそれ以上にかかってしまうでしょう。先ほど補強だけで済めば安く済ませられるとは言いましたが、それはあくまで解体して作り直す場合と比べればという話。屋上へ登るための階段の設置、雨や雪を防ぎ雨漏りを防ぐための防水加工、うっかり屋上から落ちないようにするためフェンスの設置など、やらなければいけない工事はたくさんあります。

また、屋根を屋上にすると家具などを設置することもあるでしょう。そうなれば家に上からの力が加わります。場合によっては耐震面に問題がないかも気にする必要があるでしょう。

 

屋根を屋上にするメリット・デメリット

屋根 リフォ―ム

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メリットについて、まず間違いなく言えるのが生活できる範囲が広がるということ。庭が狭いという場合であっても、屋根が丸々屋上になればそれなりに広いスペースを確保できます。見晴らしが良い屋上は開放的な気分を楽しめる場所になることでしょう。子供やペットを遊ばせるのも良いかもしれません。その場合は特にフェンスの丈夫さを気にかけたいものです。

一方デメリットとしてはメンテナンスが大変だということ。場合によっては雨漏りが発生してしまう可能性があります。雨漏りについては次の項目で詳しくご紹介します。

 

雨漏りを起こさない屋上にするには?

リフォームで憧れの屋上を手に入れたものの、しばらく経つと雨漏りが発生してしまったという例は少なくありません。雨漏りが起きてしまう原因は2つ。1つが防水工事に関係する問題。もう1つがメンテナンスを怠っていた事による問題です。まずは防水工事の問題について考えてみましょう。

屋根を屋上にすると平らになりますよね。平らになった地面の一部分に雨水がたまります。雨上がりの道路に水が溜まっている様子をイメージすると良いでしょう。一箇所に水が溜まるとだんだん下に染み込んでしまいますよね。そのため水はけの良い環境になるよう工事してもらわなくてはいけません。

次にメンテンナンスの問題。屋上には防水シートを貼るなどの施工を行いますが、頻繁に屋上を使うようであれば次第に防水機能が落ちていきます。シートが破けてしまえば隙間から雨水が入り込み、やがて雨漏りを引き起こします。

それでは一体どうすれば良いのか? その答えが“定期的なメンテナンス”です。どのような防水工事を行うかによってメンテナンスの頻度は変わりますが、1年に1回くらい行っておけば安心でしょう。

万が一雨漏りをしているようであれば、すぐにリフォーム業者へ連絡しましょう。雨漏りが直らないばかりでなく、湿気が上がりカビの発生といった問題にもつながります。

 

防水工事はどのように行う?

防水工事にはいくつかの工法があるので、今のうちにそれぞれの特徴を大まかに押さえておきましょう。

 

塗装

他の防水加工より劣化しやすいというメリットはあるものの、それ以外に目立ったデメリットはありません。塗料であれば複雑な場所にでも塗ることができるため、やや特殊な環境にも対応できます。1平方メートルあたりにかかる費用は4,000円ほど。

 

防水シート

下地にシートを貼るタイプの工法です。耐久性が高く、丁寧に扱えば10年以上使い続けることも難しくありません。メンテナンスが面倒だという方におすすめの工法です。またシートの色やデザインのバリエーションが多いというのもメリットの1つ。オシャレな屋上を演出する助けになってくれるはずです。

1つ注意したいのがシートは破れてしまうということ。家具など重いものを引きずったり、尖ったもので引っ掻いたりしてはすぐにダメになってしまいます。1平方メートルあたりにかかる費用は5,000円ほど。

 

FRP工法

FRPというのは繊維強化プラスチックの略。強度・耐水性がともに高く、メンテナンスが簡単です。性能を維持するためには定期的にトップコートという塗料を塗る必要があるのですが、FRP工法はここ20年ほどの間に使われ始めた新しい技術。施工に慣れていない業者もいるのがデメリットです。また施工時に嫌な臭いが発生してしまうため、密集した住宅街で行うのは難しいかもしれません。1平方メートルあたりにかかる費用は6,000円ほど。

 

アスファルト防水

アスファルトを染み込ませたシートを用い、熱を加えながら貼り付けていきます。こちらも強度・耐水性に優れてはいるものの、やはり施工時に臭い、煙が発生してしまいます。FRP工法同様、密集した住宅街では難しいかもしれません。またこの工法は屋上が重くなってしまうため、耐震性の問題から木造住宅にはできないものと考えておきましょう。1平方メートルあたりにかかる費用は8,000円ほど。

 

建ぺい率や容積率との関係

建ぺい率

建ぺい率は敷地を上から見たとき、建築物がどのくらいの割合を占めているかという数値です。屋根を屋上にしたところで基本的には問題ありませんが、テラスのように外側に床が突き出てしまった場合は建ぺい率に影響する可能性があることを覚えておきましょう。

 

容積率

容積率は敷地面積に対し、建築物ののべ床面積がどのくらいの割合になるのか示す数値です。例えば2階建ての住宅は1階と2階の合計面積を敷地の面積で割った数値が容積率となります。となると屋上は容積率に関係しそうなものですが、屋上は屋根がないため床面積にはカウントされません。

 

屋根を屋上にリフォームできるか業者に相談してみよう

以上、屋上リフォームについての基礎知識についてご紹介しました。とはいえ雨漏りなどの防水に関する問題、耐震性の問題、費用の問題などがありややハードルは高め。場合によっては建築基準法の関係で施工できないこともありえます。あなたの家で実際にリフォームできるのか、どのくらいの費用がかかるのかについては直接リフォーム業者に相談してみましょう。



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